アクション・ガール vol.1
アクション・ガール vol.1
 
「週刊漫画アクション」昭和43年1月4日号表紙をアレンジ。
 
今じゃどこにでもある安い風俗誌みたいな表紙の「アクション」ですが(苦笑)創刊された当時の表紙絵ときたら、そりゃーーー小洒落たセンス全開の見事な「美術」でございました。最初、旧ルパンから入ったコルトも原作初期の不二子(orモンキー・ガール)をはじめて観た時にはそのアメリカンな美しさにぶっとびました。竹久夢二とか高畠華宵といった美人画の趣すら感じられます。モンキーさんが最初女性が描けなかったなんて信じられない。腕を磨く為、せっせとヌードデッサンに通った甲斐ありましたな(^^)1999年度発売「まんだらけZENBU」ルパン特集の雑誌では創刊当時の「週刊漫画アクション」の表紙絵がずらりと並んで掲載され感激したものです。
 
この「週刊漫画アクション」の表紙絵女性達は、厳密に言えば「不二子」と称されてるわけではありません。原作初期では、女性が出てくればそれは全部「ボンド・ガール」の役目をしており、顔が同じ、名前も同じ「不二子」でもその都度違う役割を持っていました。かと思うと不二子と同じ顔でも違う名前だったりしてる。だから無名の場合、はたしてそれは「不二子」か「別人」か「別名」か「別設定」か、見分けがつかないのです。私はそういう設定自体をやってのけた、モンキーさんのヌケヌケしさにもほれ込んでしまったのでした。
 
この表紙絵集は一枚ずつ、美女の横に彼女に翻弄される一個人の男性の姿がよく描かれ、美しいと同時にクスリと笑わせる知的シュールな笑いの世界にもなっています。男性の中にはルパンもありますが、どちらかといえば一般男性を「記号」として用いてる物が多い。あえて男性に匿名性を持たせる事で世の読者に美女と絡む夢をみさせてくれるようです。
一方私の模写した方の絵はその男性を省略しています。これは元々オエビ扉のイラストとして描いた縦横比率上、男性を描き入れるスペースが足りなかった為で、代わりにパイロットフィルムのタイトルを撃ったのが不二子ちゃん(厳密にはモンキー・ガールですが)だということにしてあります。光はわざとフリーハンドですが、これはモンキーさんが絵を描く際定規を使うのが嫌いということでそうしました。加工としては、やや色味を明るめにしてますが、これもチープ感のある色あせた当時の印刷技術みたいな感じを出したかったからです。
 
それにしても髪の緑のニュアンスが出しにくかった。描きながら何度「これじゃラムちゃんだっちゃ。」と思い塗りなおした事か(^_^;
 
 

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Last updated: 2011/5/9